光熱費が高い気がして、平均を調べる。よくある行動です。数字を見て、自分のほうが高いと分かって、そこで終わります。
ただ、平均と自分の請求を比べても、高いかどうかは決まりません。比べる条件がそろっていないためです。
平均の数字と、その数字が持ち帰れない理由。そして代わりに見る数字をまとめました。
まず、公表されている数字
総務省の家計調査(2025年平均・単身世帯)では、こうなっています。
| 項目 | 1か月あたり |
|---|---|
| 電気代 | 7,337円 |
| ガス代 | 2,999円 |
| 光熱・水道の合計 | 13,333円 |
別の集計では、直近12か月の一人世帯の電気代を7,028円としています。集計する期間が違うだけで、300円ほどずれます。
この時点で、「平均」がひとつに決まらないことが分かります。
平均と比べても判断できない4つの理由
1. 季節でまとまって動く
電気代は月ごとに大きく違います。年間の平均が7,000円台でも、冬と夏は1万円を超え、春と秋は5,000円台ということが起きます。
8月の請求を年平均と比べれば、ほとんどの家が「高い」に見えます。比べるなら去年の同じ月です。
2. 住まいの設備が違う
ここがいちばん大きい差です。
| 設備 | 電気代 | ガス代 |
|---|---|---|
| 都市ガスで給湯・調理 | 低め | かかる |
| オール電化 | 高い | 0円 |
| プロパンガス | 低め | 都市ガスより高いことが多い |
オール電化の家は、ガス代が0円になるかわりに電気代が上がります。電気代だけを平均と比べると、必ず高く見えます。光熱費は合計で見ないと比較になりません。
3. 在宅時間が違う
平日の昼に家にいるかどうかで、冷暖房の時間が変わります。在宅で働く人と、朝から夜まで外にいる人では、同じ広さでも金額が違います。
平均には、その両方が混ざっています。
4. 「単身世帯」の中身が幅広い
家計調査の単身世帯には、学生も、働いている人も、退職した人も入っています。年齢層によって在宅時間も設備も違います。
平均は「みんなの真ん中」ではなく、条件の違う人をまとめて割った数字です。自分と同じ条件の人の金額ではありません。
代わりに見る3つの数字
他人と比べるかわりに、自分の請求書の中で比べます。
| 見る数字 | どこで分かるか | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 前年同月の使用量 | マイページ・検針票 | 使い方が変わったかどうか |
| 1kWhあたりの単価 | 電力量料金 ÷ 使用量 | いまの契約が高いか安いか |
| 基本料金 | 検針票 | 契約アンペアが大きすぎないか |
この3つなら、条件がそろっています。去年の自分は、いまの自分と同じ家に住んでいます。
項目の意味は電気料金の請求書はどこを見るかに整理しました。
それでも高いと感じるときの順番
平均ではなく、自分の数字で見て高かった場合です。この順に進めます。
- 検針日数を見る。月によって28日から34日まで違います
- 前年同月の使用量と比べる。変わっていなければ、原因は単価です
- 単価を見る。燃料費調整額と再エネ賦課金、国の補助の有無で動きます
- 契約アンペアを見る。使わなくてもかかる部分です
切り分け方は電気代が急に高くなったときに、契約の大きさは契約アンペアを下げるに書きました。
平均が役に立つ場面もある
使い道がないわけではありません。これから一人暮らしを始める人が、予算を組むときには目安になります。
わたしも一人暮らしを始めるとき、光熱費がいくらかかるのか見当がつきませんでした。そういう場面では、平均は「だいたいこのくらい」を知るための数字として使えます。
ただし予算を組むための数字であって、いまの請求が高いかを判断する数字ではありません。ここを分けておくと、数字に振り回されずに済みます。
まとめ
- 家計調査(2025年平均・単身世帯)は電気7,337円・ガス2,999円・光熱水道13,333円
- 集計の期間が違うと、平均そのものがずれる
- 平均と比べられない理由は季節・設備・在宅時間・世帯の幅の4つ
- オール電化は電気代が高く出る。光熱費は合計で見る
- 代わりに見るのは前年同月・1kWhの単価・基本料金
- 平均は予算を組むときの目安として使う
比べる相手を他人から自分に変えると、動かせる場所がはっきりします。去年の自分となら、条件がそろっています。

