スマホを乗り換えるとき、自分の料金だけを見て決めていませんか。
家族割やセット割を使っている場合、1人抜けると残った家族の料金が上がります。自分は安くなったのに、家全体では高くついた——これが一番もったいない失敗です。
先に計算しておけば防げます。5分あれば終わります。
結論:確認するのは3つ
- いま家族で何回線まとめているか
- その回線数で、1人あたりいくら割引されているか
- 自分が抜けたあと、残った家族がいくら払うことになるか
3つめを飛ばす人がほとんどです。ここが今回の本題です。
なぜ1人抜けると、家族の料金が上がるのか
大手3社の家族割は、まとめている回線数によって割引額が変わる仕組みだからです。回線が減ると、割引の段階が下がります。
2026年9月時点の各社の割引額です。
金額は税込・1回線あたりの月額です。契約しているプランによって変わりますので、実際の金額は各社の公式サイトでご確認ください。
3人家族で計算してみます
ドコモで3回線をまとめている家庭を例にします。1人あたり1,100円引きになっている状態です。
| いま(3回線) | 1人抜けたあと(2回線) | |
|---|---|---|
| 1人あたりの割引 | −1,100円 | −550円 |
| 残る家族の負担 | — | 1人あたり月550円の増加 |
| 残る2人の合計 | — | 月1,100円の増加 |
年間にすると13,200円です。抜けた本人は関係ありませんが、残された家族がこれを負担します。
だから、こう計算します
たとえば乗り換えで自分の料金が月1,500円下がるとします。一見おトクです。
でも残った家族の負担が月1,100円増えるなら、家全体では月400円しか変わりません。手続きの手間を考えると、割に合わないかもしれません。
逆に月3,000円下がるなら、家全体でも1,900円の節約になります。やる価値があるかどうかは、この引き算で決まります。
光回線とのセット割は、影響がもっと大きい
こちらのほうが金額も範囲も大きくなります。
ドコモ光セット割を例にすると、割引額は1回線あたり月550円〜1,210円(プランによる)。そして重要なのが対象範囲です。
契約者本人だけでなく、同じ家族割引グループの家族も対象になります。ドコモの場合、離れて暮らす家族も含めて最大20回線までが割引を受けられます。
光回線をやめると、全員分が一度に消えます
スマホ1台を乗り換えるだけなら、消えるのはその1回線分です。
ただし自宅の光回線そのものを解約する場合は話が変わります。家族全員分のセット割が、同時になくなります。4人が対象なら、1,100円×4人=月4,400円の増加です。
光回線の見直しは、スマホの見直しより影響が大きくなります。
他社にも同じ仕組みがあります
名前が違うだけで、考え方は共通です。
- ドコモ:ドコモ光セット割
- au:auスマートバリュー
- ソフトバンク:おうち割 光セット
対象になる回線数や条件は各社で違います。「家族の何人分が対象になっているか」を、契約している会社の公式サイトで確認してください。
家族に格安ブランドの人がいる場合
見落としやすい点があります。
ドコモの場合、ahamoの回線は割引を受けませんが、回線数のカウントには含まれます。つまり家族の中にahamoの人がいると、その人自身は割引ゼロなのに、他の家族の割引段階を支えている状態です。
この人が抜けると、本人には損がないのに、残った家族の割引だけが下がります。「あの人は割引を受けていないから、抜けても影響ない」——これが間違いです。
同じような仕組みは他社にもあります。カウント対象になる回線の条件は各社で違うので、契約先の公式サイトに目を通しておくと安全です。
自分の家の割引を確認する手順
- 契約している会社のマイページを開く
- 請求内訳またはご利用料金の明細を表示する
- 「〇〇割」という名前の項目を探し、金額を書き出す
- 同じことを家族の回線ごとに行う
家族の分まで見るのが面倒に感じますが、ここを省くと計算になりません。1人分だけ見ても、抜けたあとの姿は分かりません。
明細を見ても分からないとき
明細を見ても「どれが家族割なのか」が判別できないことがあります。項目名は会社によって違い、似た名前の割引がいくつも並んでいます。
その場合は、契約している会社の窓口に「いま何回線でまとめていて、1人あたりいくら割引されていますか」と聞いてください。この聞き方なら、必要な数字がそのまま返ってきます。
それでも乗り換えたほうがいい場合
計算した結果、家族の負担が増えるとしても、乗り換えが正解になることはあります。
- 家族全員でまとめて移る — 全員分の料金が下がるので、割引が消えても十分に取り返せます
- 差額が大きい — 月3,000円以上下がるなら、家族の負担増を吸収できます
- 家族の回線が2回線しかない — 2回線の割引は550円〜660円と小さいので、影響も小さくて済みます
逆に慎重になったほうがいいのは、3回線以上をまとめている場合です。ここが一番、段差が大きくなります。
よくある3つの誤解
「自分の分だけ安くなればいい」
家計が完全に別なら、その考え方で問題ありません。同じ財布から出ているなら、意味がありません。自分の請求書だけが薄くなって、家全体の支出は増えます。
「割引を受けていない家族は関係ない」
前の章で書いたとおりです。割引ゼロの回線でも、回線数にはカウントされています。その人が抜ければ、他の家族の割引段階が落ちます。
「2回線でも同じくらい下がるはず」
2回線の割引は550円〜660円で、3回線以上の1,100円〜1,210円と比べると半分ほどです。回線が少ない家庭ほど、抜けたときの影響は小さくなります。
3回線以上をまとめている家庭が、一番大きな段差を踏みます。
家族には、先に話しておいてください
計算より大事かもしれません。
料金が上がるのは家族の側です。黙って手続きを進めると、翌月の請求で気づかれます。金額そのものより、知らされていなかったことが問題になります。
伝えるときは、この2つを数字で示してください。
- 自分がいくら安くなるか
- 家族の料金がいくら上がるか
そのうえで「全員で移る」という案も出してください。全員で移れば、割引が消えても取り返せることが多いです。1人だけ抜けるより、話がまとまりやすくなります。
結局、どうすればいいのか
計算が終われば、進む道は3つに絞られます。
① 家族全員でまとめて移る
これが一番大きく下がります。割引は消えますが、全員分の料金が下がるので取り返せます。3回線以上まとめている家庭ほど、この形が有利になります。
必要な準備は、家族それぞれのデータ使用量を調べることです。使い方が人によって違うので、全員に同じプランを当てはめると誰かが困ります。
② 自分だけ移る
家族の負担増(1人あたり月550円〜660円)を上回る差額が出るなら、これで問題ありません。
私の考えでは、自分の料金が月2,000円以上下がるかどうかがひとつの線になります。それ以下だと、手続きの手間と家族への説明が割に合いません。
③ いまは動かない
差額が小さいなら、無理に動く必要はありません。
ただし家族の誰かが乗り換えを考えているなら、そのタイミングでまとめて見直すほうが効率的です。どのみち割引段階は変わるので、一度に済ませたほうが手間も少なくなります。
①か②に決めたなら、次はどこへ移るかを選ぶ段階です。データ量・料金・サポートの条件で絞り込んでいきます。
まとめ
- 家族割は回線数で割引額が変わる。1人抜けると段階が下がる
- ドコモで3回線→2回線なら、残った2人の負担が月1,100円増える(年13,200円)
- 自分の節約額から、家族の負担増を引いて考える
- 光回線のセット割は家族全員が対象。ドコモは最大20回線。解約の影響は桁違いに大きい
- 割引を受けていない家族も、回線数にはカウントされている
- 3回線以上まとめているなら、特に慎重に
次に確かめること
家族の割引が把握できたら、次はこの3つです。
▶ スマホのデータ使用量を調べる方法
プランを選ぶには、自分が月に何GB使っているかが必要です。
▶ 格安SIMに変えて後悔する人の共通点|先に確認したい5つの条件
データ量と家族割のほかにも、乗り換え前に確認しておきたいことがあります。
▶ MVNOとサブブランドの違い|格安SIMはどちらを選べばいいか
家族割が使えるかどうかは、乗り換え先を選ぶときの分かれ道でもあります。
▶ 自宅のネット回線でスマホ代は下がる|セット割の条件と割引額
自宅のネット回線で使える割引と、実際に払う金額を条件別に並べています。
▶ 格安SIMの乗り換え手順|MNP予約番号が要らなくなった今のやり方
乗り換えを決めたあとの手順をまとめています。
この記事に書いた金額は2026年9月時点のもので、契約しているプランによって変わります。実際の判断の前には、必ず各社の公式サイトとご自身の明細でご確認ください。

